【隷従への道⑤】自由経済を裏付ける法の支配

【隷従への道⑤】自由経済を裏付ける法の支配

・ 自由経済のための法の支配

 ハイエクは自由主義思想の代表者として社会思想家として扱われることがあるがこれでは足りない。彼は社会思想家だけでなく経済学者、そして晩年は法哲学に関する著作を発表するなど、まさに学問の枠を超えて見識を深めた大変優れた人だった。今回はその中でも彼が自由経済を行うにあたって重要視した法の支配について解説した。

 自由主義国家が中国に対して求めていることがいくつかある。その中でも自由主義経済のために重要なことは①法の支配と②公正な取引だ。なぜこの二つが重要なのか。

1.法の支配

 取引をするにあたって重要なのは信用である。それは商取引をする現場においても当然該当する。安全な地域だからこそ安心して商売が可能なのだ。この安全を担保する文明国の通義こそ「法」である。法の前の平等によって人々は優劣なく社会に存在しているのだ。

 この「法の支配」を考える上で重要なのは支配する法律に忠実であることが「法の支配」ではないということである。立法府が制定した全ての法律に従うようでは「法の支配」が達成できているとは呼べない。なぜなら一部の議員の圧力団体に配慮した法律が制定された場合、それは圧力団体の特権を生み出す一方でその規制は国民全体に影響を及ぼすからである。「法律として議会で法案を通せば政府は何をしてもいいのか」とハイエクは言いたいのだ。ゆえにハイエクは動機から発生する立法について懸念を示し、あくまで形式的かつ最低限のルールとしての法律の重要性を説いている。

2. 公正な取引

 自由経済下では国家による市場への介入は最低限でなければいけないとの見方がある。国家の都合で取引中止となれば多くの投資家や経済、金融に影響があるからだ。公正な取引、これすなわち国家に特別な地位を与えられ、国家の都合で取引に影響がでるようだったらそうとは呼べない。中国市場の中には自由経済のルールを理解できてない場合が多々見られる。ゆえに自由主義国家は公正な取引を求めるのだ。

・ 恣意的な立法が特権階級を生み出す

 圧力団体によって組織票を獲得する議員はその団体の要望を意識せずにはいられない。ゆえに国民全体に影響がある規制を一部の圧力団体のために立法する可能性があるのだ。こうなると一部の団体のための政策が実現し、大多数の国民はないがしろにされる可能性がある。これでは少数のための政治が行われることになるのだ。これぞまさに恣意的な立法が生み出す特権階級である。恣意的な立法によって一部の団体に利益誘導が起き、それが国民を縛っているのであれば、これを解決するために国民が小さな政府を訴える必要があるのだ。国民の税金を使った利益誘導に声を挙げて大多数の国民のためになる政策を実現する議員を国民が圧力をかけて生み出さなければいけない。

Polimos代表 オカソ

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