大日本帝国憲法の誤解①

大日本帝国憲法の誤解①

・はじめに

 このシリーズで私が伝えたいことは大日本帝国憲法が「戦前の悪い憲法」ではないことだ。8月は多くの戦争に関連する日がありそのたびに日本の首脳は平和を訴えてきた。日・独は中でも戦争における反省を諸国に促される敗戦国の立場であり、反戦運動家や左翼からは監視の目が強い。特に日本は戦後、戦前からの道徳や倫理などその多くの精神性の慣習が断裂させられてしまい今日における精神性の退廃は痛ましいものである。ただ戦前は悪かったと蓋をして過去の歴史を結果論から歪曲し印象で事実にそぐわない脚色を加えるというのは不利益しかなく一刻も早く解消しなければと思いこの企画となった。

 新憲法こそが平和を創り戦後の繁栄に寄与したというのは言い過ぎであり、戦後の繁栄は時の首脳たちの計算された戦略などが貢献したのは間違いないわけで、何よりも国民の多大な努力が高度経済成長を築いたことは明白である。社会の繁栄は政府が生み出すのではなく国民が生み出すもので、政府はあくまでそれを阻害しないように手助けをする程度でいいのだ。現行憲法は(解釈で)権利の成就を目的としている節があり、それは闇雲に権利を主張する悪童を生み出している。「傷ついた」というだけで金をもらえるような制度は人をダメにする。

 だからこそ戦前はどうだったのか。「悪い、悪い」と言われるがその中身はそんなにも悪いのか。これを再び人々に問うことこそが重要だと考え大日本帝国憲法と現行憲法の比較をしていきたい。

・欽定憲法であれ天皇は法の支配の中にある

 戦前は天皇による独裁のように語られるが、これは事実と異なる。当たり前のことだ。もしこれが事実だとしたら帝国議会の選挙も元老も枢密院も大日本帝国憲法も何の意味もなくなってしまう。そんなザマだったら日本の明治維新は何も西洋から学んでない。文明開化など大嘘だ。しかし、欽定憲法という言葉をとって天皇親政だったなどとう人がいるので困る。戦前の日本は(今もそうだが)立憲君主制であり、天皇もまた憲法の中にあるのだ。大日本帝国憲法は欽定憲法である。これは形式上間違いではない。しかし、それは天皇が憲法の上に存在していることを意味しない。天皇もまた憲法を守ると宣言しているのだ。皇祖皇宗に誓って天皇と国民がともに守っていく法として憲法が存在しているのだ。それを大日本帝国憲法の上諭(日本国憲法でいうところの前文)にしっかりと述べられている。

國家統治ノ大權ハ朕カ之ヲ祖宗ニ承ケテ之ヲ子孫ニ傳フル所ナリ朕及朕カ子孫ハ將來此ノ憲法ノ條章ニ循ヒ之ヲ行フコトヲ愆ラサルヘシ(大日本帝国憲法 上諭より)

まさに大日本帝国憲法はアジアだけでなく当時の列強にも並ぶ憲法を手に入れたのだ。  

 多くの誤解を生んでいる大日本帝国憲法だが、その誤解の一つに「不磨の大典」がある。この「不磨の大典」というのは、大日本帝国憲法は神聖なものだから改正できないという話でこれはあくまで認識の問題だが勝手に神聖化して改正させないといった手法は現代の護憲派の間にもみられる。戦前において憲法改正論議が不敬だと言われて攻撃されるのと同じく戦後において改憲は軍国主義の復活だと揶揄された。これはほぼ同じ構図であり相手にするだけ無駄だ。彼らは主観的な観念論で攻撃してくるのであって別に中身について議論する気はない。それ以前の問題なのだ。大日本帝国憲法でも憲法改正条項は存在しその可能性についても上諭で言及されている。ゆえに今も昔も憲法を「不磨の大典」扱いしてその存在の不備を疑わず観念論で語るのはナンセンスとしか言いようがない。

・日本国憲法は民定憲法?

 欽定憲法と対置される言葉で民定憲法がある。日本国憲法は民主主義体制になってから制定された憲法だから民定憲法だといいのだろう。はたしてそうだろうか。

 まず両憲法の起草までにかかった時間だが、大日本帝国憲法は約10年以上、一方で日本国憲法は1ヶ月にも満たないのではないか。日本国憲法の制定過程にはいろいろ意見があるだろうが、その中身を決めていく過程はまったく年月が違い、ゆえにその編み上げていく作業の重みも全然違うのではないのかと思ってしまう。他にも当初日本政府側で作った松本案を拒否しGHQ主導の憲法へ変えたというのも引っかかる点だ。

 さらに日本国憲法制定時は未だ占領下であり、公職追放もされていてはたして全日本人の民意が議会に反映されていたかが疑問だ。女性参政権が初めて認められた選挙だといわれるがそれは後々、GHQの指導がなくても達成されたであろうことは世界の選挙権の歴史から見ても明らかだ。(そもそも占領下での憲法改正は国際法違反)

 さらに当時の時局の関心は憲法よりも貧困、よりいえば飢えであり、争点として注目されてなかったがゆえに議論が不十分だったのではないかとの指摘もある。 以上のことを踏まえるとはたして日本国憲法が民定憲法なのかということに疑問が出る。日本国憲法はその誕生の時点でいくつかの不穏を抱えていたおとは間違いなく潔白なものではないことは事実だ。

以下の動画やpod castでより簡単に解説してます。

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