菅首相の所信表明演説

菅首相の所信表明演説

※菅首相の所信表明演説の全文(首相官邸のURL)

https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html

 10月26日に菅総理は所信表明演説を行った。所信表明演説とは菅内閣の方針を表明する演説のことでこれによって菅内閣が何を目的として行動していくかがわかる。Podcastも含めその内容について解説していく。

・とっつきにくいぐらいに具体的な演説

 政治家の演説といえば、覇気のあるもの、ユーモア、熱意などがあるといいと言われているが、菅総理の演説にはその手のものは皆無で、おどろくほどに実務的な演説だった。私も読んでて次から次へと出てくる具体的な発言に思わず「へぇー」と感心することが多かった。それゆえに野党側からは「中身のない演説」と揶揄されたが、こんなにも具体的で実務的な演説のどこが中身のない演説なのか。きっと具体的過ぎて野党の諸君は批判的なことを言えなかったのだろう。デジタル庁の創設、ワクチンの提供時期、携帯料金の引き下げ、不妊治療の補助金などに反対するようなことは絶対野党はいいにくい。野党に餌を与えない演説だったと見るのがいいだろう。

・総選挙を打てなかった菅政権の事情

 大体、新政権発足後というのは支持率が高く、総選挙にうってつけの期間だが、菅政権はコロナの関係上、選挙パートナーである公明党の了解を取れず選挙を行わなかった。そのため、選挙はコロナの収束を宣言するなどの表明をすることから始まる。この表明をするには、御用学者による積極的なメディアを通した宣伝が必要だが、それは行えてない。

 他の方策として国民に安心感を与えるということだ。日本は世界に比べて感染者も死亡者数も低く、欧州と同じように恐れる必要性は断じてない。しかし、国民はその事実の重要性を軽んじている気がする。そのため菅政権はPCR検査の拡充を掲げ、ワクチンの提供時期を来年前半と表明し、コロナの危険の解消に向けてその時期を明確にした。

・デジタル化による行政の軽量化が進む

 菅政権は臨時国会が始まる前から様々な仕事に手を付けてきた。その最たるものが「行政改革」。デジタル化だ。ハンコの禁止、デジタル通貨構想、テレワークの普及、マイナンバーカードの多様化、IT教育の普及など。演説の中で多くのことに言及している。デジタル化の流れに乗り新しい社会の形成に尽力することの表れであり、これは期待できる。

・脱炭素社会の実現宣言

 これには首をひねったが、2050年など努力目標でしかなく、環境に対して理解があるいうことを国際的にアピールするような目的とグリーンニューディールを掲げるバイデン政権誕生などの可能性を加味したうえでの発言かと推察するくらいしかない。

 しかし、この脱炭素社会を目指すあまり環境規制をかけて社会を抑圧するような政策は問題であり、これに国民は拒否の姿勢を表明していくべきだろう。環境省に炭素税に言及する問題次官がいることも含め、多少の不安を感じる部分だった。

・外交

 外交に関する部分では、話す順番によって、その政権がどれだけ重要に考えているかを表すと言われている。まず北朝鮮の拉致問題に触れた。これは菅首相が長年携わってきた外交問題であるがゆえに重要度が高いのだろう。国交正常化も視野に入れた外交を行う準備があると表明した。この問題は是非とも解決に向けてもらいたい。他にも国土安全保障に触れ、次にインド太平洋構想、そして対中外交と触れながら安倍外交の踏襲をしつつ、多少順序を変えながらも実践していくのだろう。そのうえでオリンピックは「人類がウイルスに打ち勝った証しとして、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する決意です。」と述べ開催する意思を明らかにした。

・総括

 最初にも書いたが、菅首相の所信表明演説は非常に実務的で具体的な発言が多かった。これは具体的であるがゆえに国民に政権の仕事ぶりを判断する指標を提供したという風に考えるのが妥当ではないだろうか。菅政権は独自の内政を行いつつ、安部外交を踏襲する方向をとることがわかった。

野党は学術会議の問題を使って討論を行うのだろうが、むしろそれしか対立軸が出来ないことの証明であり、頼りないことが改めて露呈するだけだろう。

菅政権の仕事ぶりに期待しつつ、今後の動向を注視していく。

Polimos管理人 オカソ

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